”十二鬼月”の中で最上位から六番目の”上弦の陸”に位置する鬼。実妹である”堕姫”(だき)と合わせて”二人で一体の上弦”であり、普段は堕姫の体内に取り込まれる形で眠っている。
吉原の遊郭に於いて炭治郎、禰󠄀豆子と交戦していた堕姫が、応援に駆け付けた”音柱”の宇髄 天元(うずい てんげん)の手によって頸を落とされた為、眠りから覚めるような形で堕姫の身体から分離した。
外見こそ不潔で醜く、口調も粗野であるが、的確にして迅速な状況判断を下す天性の勝負勘を持っており、下級隊士である炭治郎達はもちろんの事、柱である宇髄ですら初めて経験する程の圧倒的な技量を見せつけて全滅寸前まで追い込んだ。
目次
血鬼術・技
妓夫太郎の基本的な戦いの形態は、自身の血肉から形成した鎌である”血鎌”(ちがま)による二刀流であり、滑らかに回る車輪の両輪のように絶え間のない連続攻撃が最大の特徴となっている。
飛び血鎌(とびちがま)
毒を含んだ血液を体表面から噴出させて”血の刃”を多数生成し、敵に向けて飛ばす技。更には飛ばした刃の軌道を任意に操る事もできる。円斬旋回(えんざんせんかい)
飛び血鎌は血の刃を一方向に向けて飛ばす技だが、円斬旋回は多数の血の刃が腕を中心として同心円状に拡がり回転する、攻防一体の技。跋扈跳梁(ばっこちょうりょう)
血鎌を超高速で連続して振るい、その斬撃の軌跡をなぞるようにして発生させた”血の刃”を上半身の周囲に収束し、防護壁を形成する技。主に投擲物による攻撃を防ぐために用いられる。性格・体質
・堕姫と合わせて「二人で一体」なので、どちらか片方の頸を落としただけでは死ぬ事はない。
・片方の目を堕姫の”額”に移動させて視界を共有する事が出来る上に、その状態で堕姫の身体を操る事も可能である。
最期
宇髄の身体に毒が回り切って倒れた様子(※イ)を見届けた妓夫太郎は、斬り落とした堕姫の首を抱えて逃げ回っていた伊之助の心臓をも刺した(※ロ)上で、もはや万策尽きたかの様に思われた炭治郎に対して敢えて止めを刺さずに、罵倒する事によって心を折ろうとした。しかし、全く諦めていなかった炭治郎は慢心した妓夫太郎の隙を突き、雛鶴から密かに託されていた藤の花の毒が塗られた”クナイ”を足に突き刺す。全く予期せぬ毒による攻撃に動揺した妓夫太郎は、自分自身の防御と堕姫の身体の操縦を両立する事ができなくなり、最後は堕姫と同時に頸を落とされた。
※イ…実際には宇髄自身が筋肉で心臓を締め付けて、心拍を極端に低下させていた仮死状態であった。
※ロ…伊之助自身の意思で内蔵の位置をズラす事によって、心臓への直撃を避けた仮死状態であった。
※ロ…伊之助自身の意思で内蔵の位置をズラす事によって、心臓への直撃を避けた仮死状態であった。
生い立ち
病身の遊女の元に生まれ、常に貧しい生活を強いられてはいたものの、美しい顔立ちを買われて早くから吉原の遊郭で働いていた妹の堕姫(本名は”梅”)を心の支えにして生きていた。
そんな或る日、梅が客である侍の眼を簪(かんざし)で突いて失明させてしまい、その報復として生きたまま焼かれてしまう。発見した時には既に虫の息であった梅を抱えて街を彷徨っていたところを、上弦の鬼である童磨(どうま)に呼び止められ、妹と共に鬼となった。
名前の由来
そもそも、”妓夫”(牛太郎と書く場合もある)とは、遊郭に於いて客の呼び込みや代金の取り立て、遊女の護衛などを務める男性従業員の役職名である。本名が”梅”であった妹が、鬼と為ってからは”堕姫”と名乗っているのに対し、兄の方はそれらの業務を実際に務めた人間当時の記憶のままに、一貫して妓夫太郎と名乗っている。
台詞
声優:逢坂 良太
「妬ましいなああ 妬ましいなああ」
「死ぬときグルグル巡らせろ 俺の名は妓夫太郎だからなああ」
「自分が不幸だった分は 幸せな奴から取り立てねぇと取り返せねえ」
「みっともねえなあ みっともねえなあ お前ら本当にみっともねえなあ」
公式人気投票
投票総数 | 得票数 | 順位 | |
第一回 | 未登場 | 無し | 無し |
第二回 | 一三〇,三一六票 | 百五十八票 | 第四十二位 |
初登場
【第十巻】第八十五話「大泣き」
堕姫が禰󠄀豆子の”爆血”を浴びて大火傷を負い、更には宇髄の手によって頸を斬り落とされるという事態を受けて、眠りから目を覚ますようにして堕姫の身体から分離した。その直後、宇髄の追撃を躱した上で堕姫が頸を繋げる為の時間を稼ぎ、妹との格の違いを見せつけた。