継国 縁壱(つぎくに よりいち)

鬼殺隊士人間側

日の呼吸 継国 縁壱(つぎくに よりいち)

 炭治郎達の世代から約四百年を遡った、戦国時代に生存していたとされる剣士であり、後に鬼と化した継国 巌勝黒死牟)の双子の弟。あらゆる呼吸法の始まりである”日の呼吸”の使い手であり、鬼殺隊の黎明期に於ける技術的な指導者であったとされている。

 発足当時の鬼殺隊と隊士に関しては体系的で正確な記録が残っておらず(意図的に隠蔽されたと思われる部分もアリ)、縁壱に関しての情報が引き出せるのは実兄であった黒死牟の記憶、縁壱と直接対峙した鬼舞辻 無惨きぶつじ むざん)自身の記憶、そして炭治郎の夢に現れた先祖、炭吉すみよし)が縁壱と接していた時の記憶のみである。

目次


 縁壱自身が使用していた刀に関しては、炭治郎の先祖である炭吉の妻いわく、

「お侍さまの刀 戦う時だけ赤くなるのねぇ」
「普段は黒曜石のような 漆黒なのね」

と言及されているのみであり、それが日輪刀であったのか否か、制作した刀鍛冶は誰だったのかについての記録や言及は一切存在しない。

 ただし、「赤くなる」という表現に関しては”赫刀”(かくとう/しゃくとう)の事を指しているのだと思われる。

日の呼吸と型について

 日の呼吸の技に関しては、竈門 炭治郎の”ヒノカミ神楽”を参照の事。ただし、ヒノカミ神楽自体が日の呼吸の技を舞踊化したものであり、始祖である縁壱自身の動きを完全に網羅できている保証は全くない。

 また、縁壱が刀を握った当初からのものであるかは不明だが、技の威力に関しては「通常の剣術の技に他の何かを上乗せしたもの」である可能性があり、これについては【縁壱の正体】を参照の事。

出自


 戦国時代の武家である”継国家”に、兄である巌勝(みちかつ)と共に双子として生まれる。当時の時代背景として「双子は家督の相続に混乱をもたらす」という価値観があり、多分に漏れず、縁壱も兄とは隔離された状態で育てられる。

出奔

 しかし、ある日、兄の為に雇われた剣術の指南役をいとも簡単に倒してしまい、家の中で「跡継ぎには兄の巌勝よりも、弟の縁壱の方が相応しいのではないか?」という雰囲気が支配し始める。兄の家督継承を邪魔してしまう事を怖れた縁壱は、母親の死を契機に巌勝に別れを告げ、生まれた家を後にする。

 行く当てのない放浪の旅を何日か続けるうちに、流行り病で家族を亡くした少女”うた”と出会い、十年ほど生活を共にし、二人は本当の夫婦となる。

鬼殺隊士との出会い

 やがて、身籠った妻がいよいよ出産間近となった時、縁壱は産婆を呼びに行くが、その道中で心臓発作を起こして蹲っている老人に出会う。戦で負傷して死にかけている息子に会いに行く途中であるという老人を背負い、息子の元に送り届けた縁壱は、その日は産婆を呼ぶのを諦めて帰路を急いだ。

 しかし、家に着くと、そこにはお腹の子供と共に殺された、妻の悲惨なる姿があった。

 暫くは何も考える事ができずに茫然自失としていると、一人の鬼殺隊士が現れ、妻と子供を殺したのは鬼の仕業である事を告げる。妻子を弔った後、縁壱は鬼殺隊に身を寄せる事となった。

兄との再会

 鬼殺隊に加わった縁壱は、既に炎、風、水、雷、岩の剣術の型を身に付けていた”柱”に対して、自らの呼吸法である”全集中の呼吸”を伝授、指導した。その結果、隊士の力量が飛躍的に向上し、中には縁壱と同じく””(あざ)を出現させた者も現れた。

 そんなある日、戦で部下と共に戦場を訪れていた兄、巌勝が鬼に襲われている場面に遭遇する。兄の窮地を救った縁壱は、人を喰らう鬼と、それを討伐する事を目的とした組織である”鬼殺隊”の存在を説明すると、兄の巌勝は妻子を捨てて(家督そのものを放棄して)鬼殺隊に加入し、程なくして 縁壱同様に”痣”を発現させた。

兄の離反

 縁壱にしてみれば、兄が家を捨ててまで鬼殺隊に加わったのは、純粋に鬼の存在を許さない義憤の為と思い込んでいたが、当の巌勝の腹の底では、弟の剣技の才に対する強烈な嫉妬が渦巻いていた。

 また、”痣”を発現させた者は二十五歳を迎える頃には多臓器不全(寿命)で死んでしまうという思わぬ副作用が発覚し、巌勝は自らが研鑽した技が途絶えてしまう事を大いに怖れ嘆いていた。

 そんなある日、偶然にも鬼舞辻 無惨と遭遇した巌勝は、

ならば 鬼になればよいではないか
鬼となれば 無限の刻(とき)を生きられる

という誘い文句に乗り、”鬼化”の血を受け入れて鬼殺隊を離反してしまう。

鬼舞辻 無惨との対峙

 それから間もなくして、今度は縁壱自身が無惨との邂逅を果たす事となる。その風貌や発言から、この男こそが鬼の始祖であり、自分はこの男を倒す為に産まれたのだと確信した縁壱は、その頸を斬り落として勝負は決したかのように見えた。

 しかし、無惨の肉体は消滅せずに千八百もの欠片となって爆散し、方々に飛んで行った。この時、無惨の傍らに立っていた女鬼は、鬼となって間もなかった頃の珠世であったが、無惨の肉体が四散して”呪い”の力が弱まった事を確信したのか、縁壱は珠世を殺しはせずに見逃している。

 そして、この直後に他の鬼殺隊士が駆け付け、兄の巌勝が鬼舞辻の血を受け入れて鬼と為り果てたばかりか、あまつさえ当主(お館様)を殺害し、その首を持ち去った事を告げられる。

 鬼の首領に止めを刺せず、その部下を見逃し、そして実の兄が鬼と化すという、鬼殺隊の存在を根幹から揺るがす事態に他の隊士達は激昂し、縁壱に自刃を迫ったが、僅か六歳にして新たな当主となった幼きお館様の計らいにより、処分は追放のみとなった。

炭吉との出会い

 縁壱が炭治郎の先祖である炭吉と出会ったのは、いつ頃の事であるかは正確には明らかではないが、その発言から、鬼殺隊士となってから未だ日が浅かった頃の事と思われる。鬼に襲われた炭吉一家を救った経緯を持つが、その際に「日の呼吸の技を伝承したい」との炭吉の申し出を「必要ない」と一度は断っている。

 しかし、数年後(おそらくは無惨を取り逃がした後)に再び炭吉の許を訪れた際、その妻にせがまれて”日の呼吸”の技を披露した事により、図らずも炭吉の手によって舞踊化された”ヒノカミ神楽”として、呼吸と技が継承されていく事となった。

 また、幼少の頃より両耳に着けていた旭日模様の”耳飾り”をも、その際に譲り渡している。

最期

 それから約六十年後、鬼と成り果てた双子の兄である巌勝と再会した縁壱は、全てをけじめるべく兄の頸を斬りに行くが、あと一押しのところで寿命を迎えてしまい、立ったまま絶命した。

台詞


「道を極めた者が辿り着く場所は いつも同じだ」
「私は大切なものを何一つ守れず 人生において為すべきことを 為せなかった者だ」
お労しや 兄上

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