黒死牟(こくしぼう)

鬼側十二鬼月上弦

十二鬼月 上弦の壱 黒死牟(こくしぼう)

 ”十二鬼月”の最上位である”上弦の壱”の座を務める鬼。元は鬼殺隊の黎明期に於ける”鬼狩り”であり、人間であった時の名は継国 巌勝(つぎくに みちかつ)。
 ”無限城”での戦いで邂逅した自らの血族である時透 無一郎に対して、会話しながら攻撃を躱すという圧倒的な余裕を見せつける。

 善逸の元・兄弟子である獪岳かいがく)に対して自らの血を分け与え(後述)鬼の側に引き入れた経緯を持つ。

目次

虚哭神去(きょこくかむさり)

 黒死牟が腰に差している歪(いびつ)な外観の刀は、自身の骨肉を基にして造成したものであり、日輪刀ではない。従って、折られても肉体と同じように再生する。刀身の色は薄紅うすくれない)で、鍔の形状は木瓜形である。

月の呼吸と型の一覧

当初、人間時代の黒死牟(巌勝)は双子の弟である”縁壱”(よりいち)と同じ”日の呼吸”を習得するべく鍛錬していたが、それが叶う事は終ぞ無く、派生として習得した呼吸に自ら”月の呼吸”と名付けた。

壱ノ型…闇月・宵の宮(やみづき・よいのみや)

 文字通りに”月の弧”を描くかのような片手横一文字斬り。ただし、使い手である黒死牟自身の技量に依拠して、”霞柱”である時透でさえ見切れぬ程の”超高速”の技となっている。

弐ノ型…珠華ノ弄月(しゅかのろうげつ)

 左袈裟、袈裟の二連撃の後、更に返しの片手で左逆袈裟を放つ三連撃。敵との実力差が伯仲していて大振りができない場合に於いて、防御動作も兼ねて正中線が大きく振れない範囲で行われる。

参ノ型…厭忌月・銷り(えんきづき・つがり)

※「銷」は誤字の可能性あり。
 太刀筋としては袈裟、左袈裟の二連撃であるが、後述する「不規則な細かい刃」が付随した状態で放たれる為、実質的な攻撃範囲は通常の袈裟斬りなどより広くなる。

伍ノ型…月魄災渦(げっぱくさいか)

 刀を振らずに”構えたままの状態で斬撃を飛ばす”という、他のどんな呼吸の、どんな技にも類を見ない恐るべき技。この技が純粋な剣技の範疇、つまり”人間であった頃”から行使可能だったとは考え難いが、妓夫太郎の”飛び血鎌”のように血鬼術で造成した刃を飛ばす技自体は存在するので、この伍ノ型も、それに類するものと思われる。

陸ノ型…常夜孤月・無間(とこよこげつ・むけん)

 ”真向の三度斬り”に横一文字、袈裟、左袈裟を加えた六連撃であるが、隙が大きく、本来であれば敵の体力を削り切った上での”止め”以外には向かない技である。

 通常、真向斬りは自らの体重が最も乗りやすく、最も威力が高くなる反面、次の動作には移りづらくなる。従って、連撃に於いても真向は”最後”に位置するのが常套であるが、この型では”途中”に複数回の真向を組み入れるという、他のあらゆる流派の剣技にも類を見ない型となっている。

※漆ノ型以降は全て、血鬼術によって刀を”支刀”のような形態に変化させた上で用いられた。

漆ノ型…厄鏡・月映え(やっきょう づきばえ)

 地面を裂くような直線状の斬撃を一振りで計五本、放射状に飛ばす技。伍ノ型で述べたように、およそ通常の剣術では実現不可能な技であり、後述するように、音速を超える程の速さで刀を振る事によって発生した衝撃波と、血鬼術で造成した刃の両方を組み合わせて撃ち出していると考えるより他は無い。

捌ノ型…月龍輪尾(げつりゅうりんび)

 この技も、当初(人間であった頃)は非常に大きな動作で振り抜く横一文字斬りであったと思われるが、”無限城”に於いて悲鳴嶼、不死川 実弥に対して放った際には、大きな軌跡を描く衝撃波に血鬼術で造成した”三日月状の刃”を乗せて撒き散らすという荒技になっている。

玖ノ型…降り月・連面(くだりづき れんめん)

 頭上、やや高目を目掛けて大きく左右に刃を振りながら、柄杓に掬った水を撒くように手首を返す事により、”三日月状の刃”を乗せた衝撃波が敵の斜め頭上から降り注ぐ技。

 通常、横一文字斬りから左一文字へと繋げる場合は、あくまでも振り終ってから手首を返すが、この技は振りながら手首を返している分だけ動きが滑らかであり、敵との間合いが充分であれは何度でも連撃が可能である。

 その場合、人間の眼球の盲点となりやすい斜め頭上から格子状の攻撃が降り注ぐ事となり、回避は非常に困難となる。実際、”痣”の発現によって身体能力が向上していた筈の不死川 実弥でさえ、この攻撃を躱し切れずに背中を負傷している。

拾ノ型…穿面斬・蘿月(せんめんざん らげつ)

 これはもはや、剣術と言うよりは血鬼術そのものと呼ぶべき技である。先述したように黒死牟が見せる技の多くは、あまりの振りの速さによって発生する衝撃波に、血鬼術で造成した細かな刃を乗せて放つという様式になっている(と思われる)。

 しかし、この拾ノ型は複数の”三日月状の刃”が同心円状の軌道で回転しながら、”円盤型の鋸”とでも呼ぶべき状態を形成して飛んで行き、敵を冠状面切断する技である。

 同心円状の刃と言えば、妓夫太郎の”円斬旋回”が非常によく似ているが、両者の序列を考慮すると、むしろ妓夫太郎の方がこの技を参考にして、自分なりに再現した可能性の方が高いと言える。

拾肆ノ型…兇変・天満繊月(きょうへん てんまんせんげつ)

 袈裟斬りと左袈裟を交互に繰り返し振る事により、”三日月状の刃”を乗せた衝撃波を右、左、右、左…と連続して飛ばす、文字通りの波状攻撃。この型も、敵との距離が充分にあれば何度でも連撃が可能であり、並の剣士であれば一撃目は躱せても二撃目は躱せない程に緻密な攻撃である。

 ただし、緻密ではあっても右、左という規則性はある為、時透や不死川 実弥は、この攻撃をなんとか掻い潜ることが出来た。

【参考】兇変・天満繊月に最も近い、実在する剣術流派の動き
(偶然の一致ですので、問い合わせ等はご遠慮ください)

拾陸ノ型…月虹・片割れ月(げっこう かたわれづき)

 やや左袈裟寄りの真向斬りを振り下ろしながら半身を捻って左手を離し、刀身が円を描くように背後まで振り抜くと、”三日月状の刃”を乗せた衝撃波が四半円状の軌跡を描いて敵の頭上から降り注ぐ技。

 更に、振り抜いた勢いを利用して再び頭上に構え直せば、何度でも連撃が可能になるので、ある程度の距離を置いた敵に対しては技の威力そのものだけでなく、”近づき難い”との心理的な恐怖を与える事ができる。

 また、玖ノ型”降り月・連面”が敵の斜め頭上から攻撃が降ってくる技であるのに対して、この型は縦の線に真っ直ぐ降ってくるという違いがあるが、いずれに於いても突進している最中に放たれれば、ほぼ回避不可能な恐るべき技である。

血鬼術・技


 黒死牟が戦う様子を観察していると、何処までが剣士としての”純粋な剣技”で、何処からが”血鬼術の上乗せ分”なのか、その判別が非常に難しい。

 黒死牟の前に相次いで倒れた時透と玄弥の危機に、駆け付けた”風柱”の不死川 実弥が

「一振りの斬撃の周りに不規則で細かな刃が付いてる」

と解説しているが、それは例えば猗窩座が見せた”空式”のように、衝撃波の類いが空気の歪みによって辛うじて見えているだけなのか、はたまた、妓夫太郎の”飛び血鎌”のように血鬼術で”細かな刃”を造成しているのか、黒死牟自身による説明が無い限り、周囲の者が全てを判別するのは不可能と言える。

 順当に推理するならば、弟の縁壱が呼吸法を伝授した当時の鬼殺隊士全員に関して、各々の技が公式記録として書き残され、鬼殺隊内部に保管されていても何らの不思議は無い(実際には黒死牟の存在自体が、鬼殺隊の不名誉な歴史として抹消された可能性の方が高いが)。

 その場合、鬼殺隊を離反した黒死牟が最も警戒すべきは、その記録を基にして”月の呼吸”の技への対抗策を練った上で差し向けられる”柱”であり、これを迎え撃つには更に技を磨いて強化する必要が生じる。

 従って、これまでに列挙した”月の呼吸”の其々の技(特に”伍ノ型”以降)は、血鬼術で造成した”三日月状の刃”を上乗せする形で再編成したものであると見做すのが、最も妥当であると思われる。

性格・体質


・自分や童磨に対して強烈な対抗心を燃やしていた猗窩座を諫めるなど、組織内に於ける序列を重んじる傾向が見て取れる。

・獪岳に自らの血を分け与えて”鬼化”したとされているが、過去に珠世が炭治郎に語ったように、人間に血を分け与えて鬼と化すことができるのは鬼舞辻一人であるという定説とは矛盾する。しかし、黒死牟は鬼舞辻の血が最も濃い”上弦の壱”であるが故に、例外的に”鬼化”の能力を行使できる可能性は高い。
【判明と訂正】
 黒死牟が獪岳に分け与えた血は、その時点では”鬼化”の効力を持たないが、その事後に鬼舞辻に対して「この者を鬼にして欲しい」と打診し、それが了承されれば血の成分が変化して”鬼化”の効力を発動する仕組みとなっている。

 一見すると回りくどい方法であるようにも思えるが、鬼舞辻は普段、一般市民に扮して人間社会の中に溶け込んで生活しているので、直接面会できる時間が限られる。

 その為、”鬼化”すれば高い能力を発揮するであろう人間を見極めて、鬼舞辻に推薦する権限が上弦の鬼にのみ与えられている。”上弦の陸”を務めた堕姫と妓夫太郎も、同様の方法によって童磨に見出された経緯を持つ。

最期

 ”無限城”での戦いに於いて、不死川 玄弥の”鬼喰い”の能力と時透 無一郎の”刀の赫化”によって動きを封じられ、一度は悲鳴嶼の鉄球に頸を落とされはしたものの、猗窩座のように頭部を再生するという執念を見せつける。

 しかし、不死川 実弥の刀に「化け物のような姿をした自分」が映った事に動揺して平静を保てなくなり、時透に刺し貫かれた左脇腹部分から身体が崩壊を始め、消滅した。

出自


 鬼殺隊の黎明期である戦国時代に於いて、家を出て行方不明となっていた双子の弟、縁壱よりいち)に救われる形で鬼と鬼殺隊の存在を知り、以降、妻子を捨てて共に”鬼狩り”として活動していたが、”日の呼吸”を操る弟の天賦の才に強烈な嫉妬を覚えるようになり、遂には袂を分かち鬼舞辻 無惨の血を受け入れた。

 後年、白髪の老人となった縁壱と偶然にも再会し、齢を経ても全く衰えていない技の勢いに愕然とするが、戦いの最中に縁壱が老衰で寿命を迎え、立ったまま絶命してしまった事により、黒死牟の中に於ける縁壱の存在が「最後まで敵わなかった相手」として絶対性を確立する事となった。

台詞


「猗窩座…お前は…度が過ぎる…」
「あの方に…認められれば…我らの…仲間と…なるだろう…」
「有り難き血だ…一滴たりとて零すこと罷り成らぬ…」
軟弱千万

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