”青い彼岸花”や”悪鬼滅殺”等、作中に登場する固有名詞の用語に関する解説。
目次(五十音順)
千年もの昔、鬼舞辻 無惨(きぶつじ むざん)が病弱な人間であった頃に医者から処方されていたとされる薬の名称であり、又、その実際の生薬となっている草花の名称。
ただし、我が国に於いて確認されている彼岸花は、本来の赤色の他に色素異常の白い個体が希に発見される程度であり、黄色い花を咲かせるものに至っては彼岸花そのものではなく、”鍾馗水仙”(ショウキズイセン)と呼ばれる近縁種である。
また、中国原産の品種の中に”紫狐の剃刀”(学名:Lycoris sprengeri)と呼ばれるものが存在するが、これはどちらかといえば「先端が少し青い紫色」であり、はっきりと”青い”と形容するほどの色合いではない。
従って、鬼舞辻が探している青い彼岸花が”露草”のような真っ青な花を咲かせる品種であるならば、我が国に於いては実個体の発見はもちろん、自然交雑に因って発生する可能性も報告されていないので、僅かに存在する可能性があるとすれば、渡来元の中国大陸ではないかと思われる。
正確な記録を残さずに、あくまでも「そういう事例があった」という伝承として、戦闘時に顔、頸筋、腕などの身体のいずれかの場所に紋様のような痣が現れ、それに伴って飛躍的に戦闘能力を高めた剣士が過去に存在した事が明らかになっている。
痣の発動時には体温は三十九度以上、心拍数は二百以上にも達し、また、痣が発現した剣士は例外なく二十五歳までに死を迎えるとされている。
医科学的に説明するのであれば、この痣の発現は「寿命の前借り」とも呼べる現象であり、細胞の分裂工程を通常では有り得ない程の速度で行った結果であると言える。
遊郭での戦いに於いて、”大人化”した禰󠄀豆子(ねずこ)の体表に現れた痣のような紋様については、下記を参照の事。
鬼殺隊士の最上位階級である”柱”が装備する”日輪刀”(にちりんとう)の刀身部分に彫り込まれている文字であり、鬼殺隊の根本理念を表している。
鬼殺隊士が存命中に書き遺し、”お館様”に預けている遺書の存在が明らかにされている。ただし、隊士が殉職した際に、この遺書が親族の元に届けられるのか、それとも鬼殺隊内に於いてのみ回覧されるのかは明かされていない。また、この習慣がいつ頃から始まったのかは定かではない。
戦闘の際に爪や牙、あるいは変形させた腕などの直接攻撃を用いるのではなく、”血鬼術”(けっきじゅつ)と呼ばれる特殊な能力を駆使する類いの鬼の総称。空間操作や分身術、催眠術や血液の武器化など応用範囲は多岐に渡る。
鬼殺隊と並行して産屋敷(うぶやしき)家が組織、運営する別動隊であり、主に鬼殺隊士と鬼が戦った痕跡の隠蔽や、負傷した隊士の救護などの事後処理を担う。
剣技の才に恵まれず鬼殺隊士にはなれなかったものの、それでも何らかの形で鬼殺隊に貢献したいと願う者が構成員の大半を占める。
鬼殺隊士一人一人に随行する連絡用のカラス。よく訓練されており、判別可能な人語を発声する。
人間を喰らう鬼と、その首領である鬼舞辻 無惨を討伐する為に組織された剣士の集団。
政府非公認の組織であり、
鬼殺隊には鬼を討伐した累積数を基にした階級が存在する。
基本的には上から順に、
鬼殺隊士の最上位階級であり総勢九名で構成される。それぞれが使う呼吸の種類に応じて、
必要に応じて他の一般隊士に直接命令する権限を持つ。柱に登用される為には鬼を五十体討伐するか、もしくは”十二鬼月”(じゅうにきづき)を討伐する事が条件となる。
”育手”(そだて)が育成した隊士候補生達が最終的に受ける合同実戦試験の名称。鬼にとっては毒素となる藤の花が、麓から中腹にかけて一年中咲いている”藤襲山”(ふじかさねやま)で行われる。
その頂上付近には、いわゆる”雑魚鬼”が数十体ほど軟禁されており、それらの鬼と戦いながら七日間生存する事が合格の条件となる。”水柱”の冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)の兄弟弟子である錆兎(さびと)や真菰(まこも)が、この最終選別で命を落としている。
鬼の首領である鬼舞辻からの直接の指令を受けて行動する精鋭部隊であり、その名の通り総員十二名で構成される。十二鬼月の中には更に”上弦”や”下弦”と呼ばれる序列が存在し、それぞれに”壱”から”陸”までの番号が割り振られている。
つまり、
また、序列は鬼舞辻自身による直接の抜擢(あるいは剥奪)の他にも、”入れ替わりの血戦”と呼ばれる一対一の決闘によって変動する場合がある。
鬼殺隊への入隊志願者の適性を見極め、戦闘訓練を施す教育係。鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ)や桑島 慈悟郎(くわじま じごろう)など、現役を退いた元・鬼殺隊士が就任する場合が殆どであるが、その総数は明かされていない。
半年に一度、鬼殺隊の本部である”産屋敷邸”に”柱”全員が招集されて行われる戦略会議。また、この集まりは頭目である産屋敷を裁判長に、”柱”を陪審員に見立てて、隊律違反を犯した疑いのある隊士への処罰を決定する”柱合裁判”(ちゅうごうさいばん)の役割も兼ねる。
”育手”によって育成されるのではなく、現役の”柱”によって才能を見出され、その直接指導を受けながら育成される”柱候補生”を指す。”蟲柱”である胡蝶 しのぶに師事する栗花落 カナヲ(つゆり かなを)などが、それに当たる。
鬼殺隊士の標準装備であり、鬼が苦手とする太陽光の粒子を大量に吸収した”猩々緋砂鉄”(しょうじょうひさてつ)と”猩々緋鉱石”(しょうじょうひこうせき)と呼ばれる特別な鋼材を鍛えて製造された刀。
また、完成した日輪刀を握った瞬間に、その隊士の体質や呼吸の種類に応じて刀身の色が変化する事から、別名「色変わりの刀」とも呼ばれる。
上記の「隊士の体質や呼吸の種類に応じた、刀身の色の変化」とは別に、特別な状況下に於いて刀身の色が赫(赤)く変化し、熱を発生して鬼の細胞に大きな損傷を与える現象が確認されている。
古くは、剣士の呼吸法の始祖である継国 縁壱(つぎくに よりいち)が戦いの際に刀身を”赫化”(かくか)したとされているが、その後、同様の現象の使い手が現れなかった為に、具体的な再現方法については謎のままであった。
しかし、”上弦の壱”である黒死牟(こくしぼう)との戦いに於いては時透 無一郎(ときとう むいちろう)が、弱体化からの復活を果たした鬼舞辻 無惨との戦いに於いては伊黒 小芭内(いぐろ おばない)が、それぞれに日輪刀の”赫化”を果たしている。
この”赫刀”の正体は、”痣”の発現に伴って強大な握力で刀の柄を握り締めた結果、”断熱圧縮”を引き起こして刀身の温度が急激に上昇したものであると推察される。
”上弦の弐”である童磨(どうま)が人間のフリをして教祖を務めている、新興宗教団体の名称。信者の数は約250名ほどであり、その(表面上の)教えは「穏やかな気持ちで楽しく生きること」となっている。
もちろん、童磨自身は信者を”食料”として確保する為に利用していたが、教団自体は童磨が興したものではない。元はと言えば実の両親が興した教団であり、父親が教祖を務めていたが、幼少期の童磨の眼が”虹色”であった事から「この子は神童である」と確信し、早くから次期教祖として祀り上げていた。
伊之助の母親である琴葉(ことは)が、一時、身を寄せていた事もある。
過去に鬼の襲撃から命を救われた一家や一族が、後年になって鬼殺隊に対する援助や協力を申し出る場合がある。それらの家は目印として門や玄関に”藤の花の家紋”を掲げており、隊士であれば無償で宿泊や食事の提供、物資の拠出等を受けることができる。
医学用語としては「まれけつ」と読む。我々、日本人の大半は「Rh+」という特定の抗原を持つ、「A型」「B型」「O型」「AB型」のいずれかの血液型に該当するが、読んで字の如く、稀に特定の抗原を持たない「Rh-」という血液型を生まれ持つ場合がある。
更には一万人、十万人、百万人に一人の割合でしか生まれ持たない、非常に稀な血液型も存在する。そういった珍しい血液型の総称を稀血と呼ぶ。
こういった、人間の身体に関する医学的な解説は専門家に譲るが、ここで特筆すべき事は、そういった稀血の持ち主の肉体(もしくは血液)を、鬼が特に好むという点である。
響凱(きょうがい)の屋敷で炭治郎が遭遇した清(きよし)という名の少年が、その稀血の持ち主であり、響凱は清を喰らう事によって鬼の肉体が更に強化されると信じていた。
また、”風柱”である不死川 実弥(しなずがわ さねみ)も稀血の持ち主であり、”上弦の壱”である黒死牟に自らの血の匂いを嗅がせて、平衡感覚を狂わせるという奇策に打って出た。
城の内部構造を模して構築された、文字通り”無限”に近い広大な空間の名称であり、半天狗の後任として新たに”上弦の肆”の座に就いた鳴女(なきめ)が鬼舞辻から管理を任されている。鳴女が手にした琵琶を奏でる事により、無限城と外界の任意の場所とを”扉”で接続(あるいは遮断)する事ができる。
ただし、無限城を構築している柱や壁、床板といった物質自体が鳴女自身の血鬼術によって創造、維持されているのか、それとも、何処か別の場所に通常の方法で建造された城を、血鬼術によって隔絶、拡張しているだけなのかは判っていない。
鱗滝 左近次が作成した”狐の面”であり、自らが育成した弟子が”最終選別”から無事に戻るようにとの願いを込めて習慣的に手渡している。
戦国時代から刀鍛冶の里に継承されている、戦闘訓練用の機械人形。一説によると、当時実在した”日の呼吸”の使い手である継国 縁壱の動きを再現しているらしいが、それが事実であったとしても、この人形自体を制作したのが誰であるかは依然として判明していない。
時透 無一郎が訓練に利用した他、最終的に炭治郎の訓練によって破壊され、その内部から”滅一文字”の日輪刀が発見された。
完成した縁壱零式の動作の精度を見極めた”検定者”が存在した可能性に関する考察は、下記を参照の事。
目次(五十音順)
青い彼岸花(あおいひがんばな)
千年もの昔、鬼舞辻 無惨(きぶつじ むざん)が病弱な人間であった頃に医者から処方されていたとされる薬の名称であり、又、その実際の生薬となっている草花の名称。
ただし、我が国に於いて確認されている彼岸花は、本来の赤色の他に色素異常の白い個体が希に発見される程度であり、黄色い花を咲かせるものに至っては彼岸花そのものではなく、”鍾馗水仙”(ショウキズイセン)と呼ばれる近縁種である。
また、中国原産の品種の中に”紫狐の剃刀”(学名:Lycoris sprengeri)と呼ばれるものが存在するが、これはどちらかといえば「先端が少し青い紫色」であり、はっきりと”青い”と形容するほどの色合いではない。
従って、鬼舞辻が探している青い彼岸花が”露草”のような真っ青な花を咲かせる品種であるならば、我が国に於いては実個体の発見はもちろん、自然交雑に因って発生する可能性も報告されていないので、
【判明と訂正】
後年になって、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)の直系の子孫である植物学者、嘴平 青葉(あおば)の手によって実個体の発見と、「一年の間に二~三日のみ、昼の間だけ花を咲かせる」との生態の説明が為された。
後年になって、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)の直系の子孫である植物学者、嘴平 青葉(あおば)の手によって実個体の発見と、「一年の間に二~三日のみ、昼の間だけ花を咲かせる」との生態の説明が為された。
痣(あざ)
正確な記録を残さずに、あくまでも「そういう事例があった」という伝承として、戦闘時に顔、頸筋、腕などの身体のいずれかの場所に紋様のような痣が現れ、それに伴って飛躍的に戦闘能力を高めた剣士が過去に存在した事が明らかになっている。
痣の発動時には体温は三十九度以上、心拍数は二百以上にも達し、また、痣が発現した剣士は例外なく二十五歳までに死を迎えるとされている。
医科学的に説明するのであれば、この痣の発現は「寿命の前借り」とも呼べる現象であり、細胞の分裂工程を通常では有り得ない程の速度で行った結果であると言える。
特記事項
遊郭での戦いに於いて、”大人化”した禰󠄀豆子(ねずこ)の体表に現れた痣のような紋様については、下記を参照の事。
【参照】『禰󠄀豆子の痣(ねずこのあざ)』
悪鬼滅殺(あっきめっさつ)
鬼殺隊士の最上位階級である”柱”が装備する”日輪刀”(にちりんとう)の刀身部分に彫り込まれている文字であり、鬼殺隊の根本理念を表している。
遺書
鬼殺隊士が存命中に書き遺し、”お館様”に預けている遺書の存在が明らかにされている。ただし、隊士が殉職した際に、この遺書が親族の元に届けられるのか、それとも鬼殺隊内に於いてのみ回覧されるのかは明かされていない。また、この習慣がいつ頃から始まったのかは定かではない。
異能の鬼(いのうのおに)
戦闘の際に爪や牙、あるいは変形させた腕などの直接攻撃を用いるのではなく、”血鬼術”(けっきじゅつ)と呼ばれる特殊な能力を駆使する類いの鬼の総称。空間操作や分身術、催眠術や血液の武器化など応用範囲は多岐に渡る。
隠(かくし)
鬼殺隊と並行して産屋敷(うぶやしき)家が組織、運営する別動隊であり、主に鬼殺隊士と鬼が戦った痕跡の隠蔽や、負傷した隊士の救護などの事後処理を担う。
剣技の才に恵まれず鬼殺隊士にはなれなかったものの、それでも何らかの形で鬼殺隊に貢献したいと願う者が構成員の大半を占める。
鎹鴉(かすがいがらす)
鬼殺隊士一人一人に随行する連絡用のカラス。よく訓練されており、判別可能な人語を発声する。
鬼殺隊(きさつたい)
人間を喰らう鬼と、その首領である鬼舞辻 無惨を討伐する為に組織された剣士の集団。
政府非公認の組織であり、
- ・いつ頃発足したのか?
- ・本拠地は何処なのか?
- ・運営財源は何処から拠出しているのか?
- ・在籍する剣士は何十人、あるいは何百人居るのか?
当主は産屋敷 耀哉(うぶやしき かがや)であり、通例として”お館様”と呼称される。
稀に外部の人間が個々の隊士を指して”鬼狩り”(おにがり)と表現する場合がある。鬼殺隊の階級
鬼殺隊には鬼を討伐した累積数を基にした階級が存在する。
基本的には上から順に、
- 「甲」(きのえ)
- 「乙」(きのと)
- 「丙」(ひのえ)
- 「丁」(ひのと)
- 「戊」(つちのえ)
- 「己」(つちのと)
- 「庚」(かのえ)
- 「辛」(かのと)
- 「壬」(みずのえ)
- 「癸」(みずのと)
鬼殺隊の柱(はしら)
鬼殺隊士の最上位階級であり総勢九名で構成される。それぞれが使う呼吸の種類に応じて、
- 「炎柱」(えんばしら)
- 「水柱」(みずばしら)
- 「風柱」(かぜばしら)
- 「岩柱」(いわばしら)
- 「鳴柱」(なりばしら)
必要に応じて他の一般隊士に直接命令する権限を持つ。柱に登用される為には鬼を五十体討伐するか、もしくは”十二鬼月”(じゅうにきづき)を討伐する事が条件となる。
最終選別(さいしゅうせんべつ)
”育手”(そだて)が育成した隊士候補生達が最終的に受ける合同実戦試験の名称。鬼にとっては毒素となる藤の花が、麓から中腹にかけて一年中咲いている”藤襲山”(ふじかさねやま)で行われる。
その頂上付近には、いわゆる”雑魚鬼”が数十体ほど軟禁されており、それらの鬼と戦いながら七日間生存する事が合格の条件となる。”水柱”の冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)の兄弟弟子である錆兎(さびと)や真菰(まこも)が、この最終選別で命を落としている。
十二鬼月(じゅうにきづき)
鬼の首領である鬼舞辻からの直接の指令を受けて行動する精鋭部隊であり、その名の通り総員十二名で構成される。十二鬼月の中には更に”上弦”や”下弦”と呼ばれる序列が存在し、それぞれに”壱”から”陸”までの番号が割り振られている。
つまり、
- 上弦の壱、弐、参、肆、伍、陸
- 下弦の壱、弐、参、肆、伍、陸
また、序列は鬼舞辻自身による直接の抜擢(あるいは剥奪)の他にも、”入れ替わりの血戦”と呼ばれる一対一の決闘によって変動する場合がある。
育手(そだて)
鬼殺隊への入隊志願者の適性を見極め、戦闘訓練を施す教育係。鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ)や桑島 慈悟郎(くわじま じごろう)など、現役を退いた元・鬼殺隊士が就任する場合が殆どであるが、その総数は明かされていない。
柱合会議(ちゅうごうかいぎ)
半年に一度、鬼殺隊の本部である”産屋敷邸”に”柱”全員が招集されて行われる戦略会議。また、この集まりは頭目である産屋敷を裁判長に、”柱”を陪審員に見立てて、隊律違反を犯した疑いのある隊士への処罰を決定する”柱合裁判”(ちゅうごうさいばん)の役割も兼ねる。
継子(つぐこ)
”育手”によって育成されるのではなく、現役の”柱”によって才能を見出され、その直接指導を受けながら育成される”柱候補生”を指す。”蟲柱”である胡蝶 しのぶに師事する栗花落 カナヲ(つゆり かなを)などが、それに当たる。
日輪刀(にちりんとう)
鬼殺隊士の標準装備であり、鬼が苦手とする太陽光の粒子を大量に吸収した”猩々緋砂鉄”(しょうじょうひさてつ)と”猩々緋鉱石”(しょうじょうひこうせき)と呼ばれる特別な鋼材を鍛えて製造された刀。
また、完成した日輪刀を握った瞬間に、その隊士の体質や呼吸の種類に応じて刀身の色が変化する事から、別名「色変わりの刀」とも呼ばれる。
赫刀(かくとう/しゃくとう)
上記の「隊士の体質や呼吸の種類に応じた、刀身の色の変化」とは別に、特別な状況下に於いて刀身の色が赫(赤)く変化し、熱を発生して鬼の細胞に大きな損傷を与える現象が確認されている。
古くは、剣士の呼吸法の始祖である継国 縁壱(つぎくに よりいち)が戦いの際に刀身を”赫化”(かくか)したとされているが、その後、同様の現象の使い手が現れなかった為に、具体的な再現方法については謎のままであった。
しかし、”上弦の壱”である黒死牟(こくしぼう)との戦いに於いては時透 無一郎(ときとう むいちろう)が、弱体化からの復活を果たした鬼舞辻 無惨との戦いに於いては伊黒 小芭内(いぐろ おばない)が、それぞれに日輪刀の”赫化”を果たしている。
この”赫刀”の正体は、”痣”の発現に伴って強大な握力で刀の柄を握り締めた結果、”断熱圧縮”を引き起こして刀身の温度が急激に上昇したものであると推察される。
万世極楽教(ばんせいごくらくきょう)
”上弦の弐”である童磨(どうま)が人間のフリをして教祖を務めている、新興宗教団体の名称。信者の数は約250名ほどであり、その(表面上の)教えは「穏やかな気持ちで楽しく生きること」となっている。
もちろん、童磨自身は信者を”食料”として確保する為に利用していたが、教団自体は童磨が興したものではない。元はと言えば実の両親が興した教団であり、父親が教祖を務めていたが、幼少期の童磨の眼が”虹色”であった事から「この子は神童である」と確信し、早くから次期教祖として祀り上げていた。
伊之助の母親である琴葉(ことは)が、一時、身を寄せていた事もある。
藤の花の家紋の家(ふじのはなのかもんのいえ)
過去に鬼の襲撃から命を救われた一家や一族が、後年になって鬼殺隊に対する援助や協力を申し出る場合がある。それらの家は目印として門や玄関に”藤の花の家紋”を掲げており、隊士であれば無償で宿泊や食事の提供、物資の拠出等を受けることができる。
稀血(まれち)
医学用語としては「まれけつ」と読む。我々、日本人の大半は「Rh+」という特定の抗原を持つ、「A型」「B型」「O型」「AB型」のいずれかの血液型に該当するが、読んで字の如く、稀に特定の抗原を持たない「Rh-」という血液型を生まれ持つ場合がある。
更には一万人、十万人、百万人に一人の割合でしか生まれ持たない、非常に稀な血液型も存在する。そういった珍しい血液型の総称を稀血と呼ぶ。
【参考】「まれな血液型」日本赤十字社
こういった、人間の身体に関する医学的な解説は専門家に譲るが、ここで特筆すべき事は、そういった稀血の持ち主の肉体(もしくは血液)を、鬼が特に好むという点である。
響凱(きょうがい)の屋敷で炭治郎が遭遇した清(きよし)という名の少年が、その稀血の持ち主であり、響凱は清を喰らう事によって鬼の肉体が更に強化されると信じていた。
また、”風柱”である不死川 実弥(しなずがわ さねみ)も稀血の持ち主であり、”上弦の壱”である黒死牟に自らの血の匂いを嗅がせて、平衡感覚を狂わせるという奇策に打って出た。
無限城(むげんじょう)
城の内部構造を模して構築された、文字通り”無限”に近い広大な空間の名称であり、半天狗の後任として新たに”上弦の肆”の座に就いた鳴女(なきめ)が鬼舞辻から管理を任されている。鳴女が手にした琵琶を奏でる事により、無限城と外界の任意の場所とを”扉”で接続(あるいは遮断)する事ができる。
ただし、無限城を構築している柱や壁、床板といった物質自体が鳴女自身の血鬼術によって創造、維持されているのか、それとも、何処か別の場所に通常の方法で建造された城を、血鬼術によって隔絶、拡張しているだけなのかは判っていない。
厄除の面(やくじょのめん)
鱗滝 左近次が作成した”狐の面”であり、自らが育成した弟子が”最終選別”から無事に戻るようにとの願いを込めて習慣的に手渡している。
縁壱零式(よりいちぜろしき)
戦国時代から刀鍛冶の里に継承されている、戦闘訓練用の機械人形。一説によると、当時実在した”日の呼吸”の使い手である継国 縁壱の動きを再現しているらしいが、それが事実であったとしても、この人形自体を制作したのが誰であるかは依然として判明していない。
時透 無一郎が訓練に利用した他、最終的に炭治郎の訓練によって破壊され、その内部から”滅一文字”の日輪刀が発見された。
特記事項
完成した縁壱零式の動作の精度を見極めた”検定者”が存在した可能性に関する考察は、下記を参照の事。
【参照】『縁壱零式には検定者が存在した』