伊黒 小芭内(いぐろ おばない)

鬼殺隊士人間側

蛇柱 蛇の呼吸 伊黒小芭内(いぐろ おばない)

 鬼殺隊士の最高位である”柱”の内の一人であり、”蛇の呼吸”を駆使する事から”蛇柱”(へびばしら)と呼称される。年齢は二十一歳。

 通常、鬼殺隊士は連絡用の”鎹鴉”(かすがいがらす)を各自が帯同しており、他の動物を連れて歩く事に特段の利点は無い筈であるが、伊黒だけは首に本物の蛇(名前は”鏑丸”)を巻きつけており、常に行動を共にしている。

 ”風柱”の不死川 実弥しなずがわ さねみ)と同様に好戦的ではあるものの、人間に対する対応は幾分冷静であり、口を開く場面は選ぶ。

目次

日輪刀


 西洋の刀剣である”フランベルジュ”に似た波状形の刀身で、色は「Mauve」(銭葵)。制作した刀鍛冶の名は明かされていない。刀身の”赫化”(かくか)については後述。

鞘の材質と形状

 当然の事ながら、波状形の刀身では通常の木製の鞘に納めて持ち歩く事ができない為、”刀鍛冶の里”の長である鉄地河原 鉄珍(てっちかわはら てっちん)の実息、願鉄(がんてつ)の発案により、革製の鞘に”包み込む”ように納めて携行している。

蛇の呼吸と型の一覧

 蛇の呼吸は”水の呼吸”から派生したとされているが、伊黒本人が独自に研究・派生させたのか、それとも他に”育手”が存在したのかは明らかにされていない。

壱ノ型…委蛇斬り(いだぎり)

 非常に大きな動作で振り抜く、諸手による横一文字斬り。他の呼吸の技に於いては、壱ノ型には片手による横一文字を定める場合が多い(炎、水、雷など)。

 しかし、伊黒の場合は使用している日輪刀がそもそも波状形であり、刀身を鞘に納めた状態からの片手による「抜きつけ」や「鞘走り」を行う事ができない為、最初から諸手で構えている事を前提として技が組まれているものと思われる。

弐ノ型…狭頭の毒牙(きょうずのどくが)

 通常、片手での横一文字斬りとは、抜刀した勢いのままに身体の内側から外側へと刀を振り抜く技であるが、この型は逆に、既に抜いて片手で構えた刀を外側から内側へと振り抜く技である。

 従って、柄を握った掌が否応なく上を向く格好になるので、肘が窮屈になり身体の正中線が捩じれやすくなる。二対一で敵を挟み撃つ場合など、使える状況が限られる技と言える。

参ノ型…塒締め(とぐろじめ)

 蛇が獲物の身体に跳び付いて締め上げる時のような軌跡で、最終形態化した無惨の触手を次々と受流しながら無効化した「いなし技」。

 本来は複数人対複数人の戦いに於いて攻守の役割分担をしたり、複数の投擲物を払い落としたりする為に用いる、総合的な防御技である言える。

肆ノ型…頸蛇双生(けいじゃそうせい)

 敵に向かって突進しながらの袈裟斬りの直後、身体を独楽のように一回転させて再度、同じ箇所を狙って袈裟斬りを放つ二連撃。

伍ノ型…蜿蜿長蛇(えんえんちょうだ)

 複数の敵の間を文字通りの長蛇のような動きで移動しながら、横一文字斬りで次々と頸を狙い落としていく技。いわゆる”雑魚の集団”に対して有効である。

性格・体質


・左右の瞳の色が違うのは、右眼が生まれつき弱視で、ほとんど視えていないためである。

鬼舞辻 無惨との最終決戦に於いては、両眼を攻撃されて視力を完全に失うが、愈󠄀史郎の血鬼術である”視覚連結”の札を炭治郎から受け取る事により、蛇の鏑丸の視界を借りるという奇策で戦闘を続行した。

・不死川 実弥と同様に強く鬼を憎悪しており、”柱合会議”の際も炭治郎と禰󠄀豆子を擁護した冨岡 義勇とみおか ぎゆう)を厳しく批判した。

・以前より”恋柱”である甘露寺 蜜璃かんろじ みつり)との恋仲が噂されており、一説に拠ると初対面時に伊黒の方が一目惚れしたらしいが、当然の事ながら世間一般の男女のように交際をしていた訳ではないので、真偽や進展の程は周囲には判らなかった。

しかし、鬼舞辻 無惨との最終決戦後、致命傷を負った二人は余命数時間も無い事を悟り、互いに想いを打ち明け来世で結ばれる事を誓った。

・口元を布で覆っているのは、他者によって口唇の左右を長く切り裂かれた傷痕を隠す為である(詳細は後述)。

痣の出現と赫刀(かくとう/しゃくとう)


 愈󠄀史郎(ゆしろう)の作戦によって、他の柱達と共に”無限城”から地上へと弾き出された後も、復活した鬼舞辻 無惨との絶望的なまでの攻防は続いた。

 伊黒自身はもちろん、悲鳴嶼、不死川、甘露寺、冨岡の四名も、無惨の攻撃によって負傷した箇所から毒化した血を注入されてしまい、行動不能に陥るのは秒読み段階であった。

 しかし、何処からともなく現れた珠世の使い猫が投擲し、腕に刺さった試験管には、鬼舞辻の血の効果を抑制する中和剤が充填されており、腫れや痛み、呼吸の乱れなどが和らいだ。
 落ち着きを取り戻した伊黒は、時透が黒死牟との戦いに於いて刀を”赫化”(かくか)したという鴉の報告を思い出す。

 その際、時透は刀を強く握り締める事しか出来なかった筈であると推察し、今一度、自らの刀の柄を強く握り締めた結果、腕に”蛇”のような紋様の痣が浮かび上がり、まるで万力のような握力を発揮して”断熱圧縮”を引き起こし、刀身を”赫化”させた。

出自


 八丈島の出身であり、生家は何故か女児ばかりが産まれる家系で、男児である伊黒自身が産まれたのは実に三百七十年ぶりの事であった。

 以来、十二歳になるまで座敷牢に閉じ込められて育ったが、ある日、牢から出されて連れて行かれた部屋には、下半身が蛇のようになった女の鬼が居座っており、この時初めて、伊黒は自分の生まれた家が鬼と結託する事により繁栄してきた事を知る。

 この蛇鬼は、人間を殺害して強奪した金品を伊黒の一族に提供する代わりに、産まれたばかりの赤子を生贄として差し出させていたが、伊黒本人に限っては左右の瞳の色が違う事や、珍しく生まれた男児である事を理由に、充分に成長するまで喰らうのを猶予していた。

 しかし、成長を待つ間、蛇鬼は伊黒の口唇を左右に引き裂き、滴り落ちた血を飲むなどの加虐行為をも行っていた。


 逃亡する事を決意した伊黒は、座敷牢の木製の格子を簪(かんざし)で少しずつ削り続け、その間に迷い込んできた子供の蛇に鏑丸(かぶらまる)と名付け、共に脱出する。

 伊黒の逃亡に気付いて激昂した蛇鬼は、約五十人に及ぶ一族を皆殺しにした上で伊黒を追いかけたが、派遣されていた当時の炎柱(煉獄 槇寿郎)に手によって倒された。

台詞

声優:鈴村 健一


「胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう」
「くだらない妄言を吐き散らすな そもそも身内なら庇って当たり前」
[左手と左目を失って どうするつもりだ たかが上弦の陸との戦いで]
甘露寺に近づくな 塵共

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