”十二鬼月”の中で最上位から四番目の”上弦の肆”に位置する鬼。極度の恐怖を感じた人間が精神の崩壊を防ぐために「別人格」を形成し、それに心的外傷を肩代わりさせる「多重人格」と呼ばれる現象が稀に起こるが、この半天狗も鬼らしからぬ極度の臆病者であるが故に、物理的な外傷を肩代わりさせる「分身」の血鬼術を編み出すに至る。
”上弦の伍”である玉壺と共に”刀鍛冶の里”を強襲し、そこに居合わせた炭治郎、禰󠄀豆子、不死川 玄弥(しなずがわ げんや)、甘露寺 蜜璃(かんろじ みつり)を分身鬼の連携で追い詰めるが、本体の所在を炭治郎に看破され敗れ去った。
目次
血鬼術・技
本人の消極的な性格ゆえに”肆”の位に留まっているが、血鬼術の総出力(規模、威力×持続時間)に関しては”弐”の位である童磨に勝るとも劣らない。
分身
本体である半天狗自身が頸を斬られると、その断面から以下の二体の鬼が分身として出現する。この時、見かけ上は一体の鬼が二体に「分裂」したように見えるが、実際には本体が子猫程度の大きさに縮小して速やかにその場から逃亡するので、これに気付かずに分身体の頸を何度斬ろうとも、本体を殺す事は出来ない。可楽(からく)
人間を軽々と吹き飛ばしたり、地面に叩き付けたり出来る程の強力な風を起こす”団扇”を武器として用いる。これによって時透 無一郎を建物の外に吹き飛ばした為に、残された炭治郎や禰󠄀豆子は苦戦を強いられる事となった。また、近接格闘能力に於いても”大人化”している禰󠄀豆子を一時は抑え込むほどの力量を見せる。
【声優:石川 界人】
「楽しいのう 豆粒が遠くまで よく飛んだ」
積怒(せきど)
雷を発生させて敵に向けて落とす事ができる”錫杖”を武器として用いる。他の分身体にさえ嫌悪感を露にし、事ある毎に不満や文句を口にする。
【声優:梅原 裕一郎】
「何も楽しくはない 儂はただ ひたすら腹立たしい」
上記の二体が更に首を斬られると、以下の二体の鬼にそれぞれ分裂し、計四体による同時攻撃が可能となる。
哀絶(あいぜつ)
十文字の”鎌槍”を武器として用いる。
【声優:斉藤 壮馬】
「わかっているから いちいち怒鳴るな 哀しくなる」
空喜(うろぎ)
背中に羽が生えて空を飛ぶ事が可能となり、鷹や鷲のように鋭く変形した”爪”と、口から吐き出す”超音波”を使って攻撃する。
【声優:武内 駿輔】
「カカカッ 喜ばしいのう 分かれるのは久方振りじゃ」
そして、その四体が再び吸収合体すると、元の本体の姿に戻るのではなく”最終形態”としての分身鬼となり、最も強力になる。
憎珀天(ぞうはくてん)
神話に登場する”雷神”が背負っているような、小さな”太鼓”を円状に連ねた物が背中に現れ、その太鼓を叩く事によって複数体の”木で造られた竜の頭”を地面から出現させる事ができる。
更に、その竜の頭を太鼓の音で操る事により、咬みつき攻撃のみならず、強風、雷、超音波といった、それまでの分身鬼が使っていた攻撃を強化して駆使する事が出来る。
ただし、最終形態であっても分身である事には変わりがない為、あくまでも本体の頸を落とさなければ殺す事はできない。
【声優:山寺 宏一】
「弱き者をいたぶる鬼畜 不快 不愉快 極まれり」
性格・体質
・分身鬼が出現している間、本体は子猫程度の背丈に縮小して逃げ回る為、発見は困難を極める。また、その間は鬼の中でも一、二を争う程に頸が硬くなり、たとえ発見したとしても並の隊士では斬り落とす事は殊更に難しい。
・自分は常に一方的に虐められている、か弱い被害者だと思っている。人間であった頃は盲目の”按摩”(あんま)のフリをして罪を重ねていたが、実際は目が視えている事を看破した奉行を逆恨みし、殺害した経緯を持つ。
台詞(本体)
声優:古川 登志夫
「皆殺しにせねば…あの御方に楯突く者共を……!!」
「ヒイイイイイイ」
「やめてくれえ いぢめないでくれぇ」
公式人気投票
投票総数 | 得票数 | 順位 | |
第一回 | 未登場 | 無し | 無し |
第二回 | 一三〇,三一六票 | 二十八票 | 第六十二位 |
初登場
【第十二巻】第九十八話「上弦集結」
”上弦の陸”である妓夫太郎が炭治郎たちの手によって倒された事を受けて、鬼舞辻 無惨が他の上弦の鬼全員を”無限城”に緊急招集した際、玉壺が口にした”九十年振り”という数字を”百十三年振り”であると訂正した。